研究の概要
私たちは、特別支援教育にも教科指導の目線が必要で、教科の指導においてもインクルーシブ教育の目線が必要だよね、という考えから、2017年~2019年度に科研費の挑戦的(萌芽)研究として「インクルーシ教育システムの構築に向けた小学校外国語教育カリキュラムの開発的研究」に取り組みました。そこで行った調査から、児童の学びにおいては「書くこと」において課題が見られる傾向や,他教科での学習では困難を示さない児童も英語においては困難を抱える割合が多くなることが見えてきました。 また、支援を要する児童への配慮がなされた「集団やペアでの活動の進め方」や「教材の工夫の仕方」が分からないといった先生方の声も明らかになりました。
2020年度からは、元々高学年で行われていた外国語活動が中学年に導入され、高学年では教科として外国語の学習に取り組むことになりました。 高学年では、検定教科書を用いて、「読むこと」「書くこと」を含めた5領域の学習に取り組みます。評定に繋がる評価も行われます。もしかすると、これまで以上に外国語の学習に難しさを覚える児童がいるのではないか、またそのような児童の困難にどう対応していけばよいか悩まれる先生もおられるのではないか、と考え、私たちは実態の把握と、指導支援プログラムの開発にチャレンジしようと考えました。
コロナ禍により、実践の実態調査など予定していた研究のうち、できなくなったものもありますが、日々の学びは待ったなしです。外国語の学びで困っている児童や、そんな児童にどうにか手を差し伸べたいと思っておられる先生方の資料の1つとなるような提案ができるよう、研究を進めて参ります。そのためには、子どもたちや先生方のお声をぜひ聴かせていただきたいと思っております。 今後、このウェブサイト上で、先生方にアンケートのご協力をお願いする予定です。これからのインクルーシブな外国語教育のために、ぜひともお力をお貸しいただければ嬉しいです。
今後の調査予定
- 中学生への外国語(英語)の難しさに関するインタビュー
- 小学校の先生方への、「児童の学びの実態」や「先生方の指導の工夫点」に関する調査
- 児童への外国語(英語)学習に対する意識調査